親

上司の父親が亡くなったので、お通夜に行ってきた。
言わずもがな明日はお葬式だ。
しかし、明日は休みだ。僕の月に幾度とない休みだ。なのにお葬式。
昨日までは、いかに休日を過ごすか思案していたのに。列挙する。
内科。
歯科。
京都。
無理だ。不可能である。
つまり、二週間ほど前から腹の調子が悪い。先週、町医者に行った。
駄目だ。ゼリーみたいのが。ヤバイ。
そして、親知らずが気になる。疼く。僕のラスト・オヤシラズ。
こうなりゃ京都なんて夢のような話だ。

と、親の知らないうちに子は痛み、子の知らないうちに親は病む。
最後に親に会ったのはいつだろう。あと何度親に会えるんだろう。
と、今は思っているが、これがいつ、今は昔の話になることやら。
と、父親が死んだというのに耳たぶを揉みながら正座する上司を見て思った。